wacana29’s blog

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KING OF PRISM-Shiny Seven Stars- 感想

 久しぶりの記事ですね。元気でした。もう3月かよ。

 

 KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-を観てきて、感想を思いのままメモ帳に書きなぐっていたらPCが落ちて、初めから書き直しになったのでキレましたがわたしは元気です。テキストの鮮度と煌めき度が高すぎて寝起きのPCちゃんには受け止めきれなかったようです。

 いっそ丁寧に書き直そう、というわけで記事にしました。ついでに自動バックアップしてくれるGoogleドキュメントに移行しました。急に落ちるの心臓に悪いからやめてほしい。買ったばかりだぞPCちゃん。がんばって。

 

 うちのPCちゃんのことはいいとして、さっそくKing of Prism -Shiny Seven Stars-の感想を。まだ見てない人はぜひ劇場へ行ってください。この記事読まなくていいからはやく劇場へ。

 



映像に関して

 いや、あの、3Dやばくね……?

 ユキ様の衣装の袖!!! なめらかで優雅な袖が存分に表現されててびっくりした。

 安い3Dだとあれただの「面」になっちゃいそうなのに、ちゃんと「薄い厚み」があった。布だった。あとタイガきゅんの衣装は布面積少なくておばさん心配でした。らっせーらーらっせらー!! 目のやり場に困るよ! 足綺麗!! 半被がひらめくのめちゃくちゃ好きですね。

 いつも3D作品全般に感じている「ムズムズ感」がほとんどなかったのがすごい。あの、あれですよ、ロボットが人間っぽくなる過程で妙に気持ち悪く感じる段階があるじゃない?なんていうんだっけあれ。あれをちょっと乗り越えてきたなって感じ。すごいよ。そこに「生きてる」感がすごい。あれだけ見にもう一回行きたい。

 アニメキャラの表情とか仕草とかって、私は2Ⅾアニメならではの「重さ」や「隙」が好きなんで、3Ⅾアニメは基本的に苦手なんですけど、そのへんもなんか違和感なくちゃんと観れた。うまく言えないけど、すごくよかったです。



ユキ様の負うものが半端ない重さだった

 ちょっとユキ様の肩にのしかかってるものの重さ舐めてましたすいません。歌舞伎役者もプリズムスタァもこなすってヤバい大変なことなんだなぁと、改めて敬服…。

 プリズムショーに出ることを許容するどころかユキ様の成長の場として認めてくれたご両親の度量の広さがすごいなぁ、というか、はじめはプリズムショーの舞台に立つことに対してとても厳しかったお父様からその見解を引き出したユキ様、めちゃくちゃ頑張ったしすごいね…偉いね…。

 でもお母様、かんざしぶっ刺したシーンはさすがにやりすぎというか確実にトラウマもんですよあれ。お母様もめちゃくちゃ熱い人だなぁというのがわかって良かったけれど、というか「血を受け継ぐ」という描写において絶対に絶対に必要なシーンではあったけれど、幼少ユキ様よくあの血塗れのかんざし手に取ったな。すごい胆力だな。

 歌舞伎くわしくないけど、歌舞伎の要素がふんだんに使われながらも綺麗にショーとしてまとめられていた素敵なステージだった。見得を切るところ(正式名称わからない)、ユキ様のあの端正なお顔で傾(かぶ)かれるとなんかこう、どういう気持ちで見ればいいのかわからないけど、あっすごい、歌舞伎役者だ!ってなった。

 鏡に映った自分を叩き割って「今の自分には歌舞伎の舞台にもプリズムショーのステージにも立つ資格がない」って吐露するところのユキ様がすごく印象的でした。すごく熱いものを秘めてるんだなぁ…と。

 だって、最初に見たキンプリの第一印象では、ユキ様ってすでにあの歳にして歌舞伎もプリズムショーもそつなくこなしている気立てのいい天才というイメージしかなかったのに、ふたを開けてみればちゃんと悩んで立ち止まったりする成長途上の高校生だったんですよ。普段チャラチャラしていろいろはぐらかしがちなカケルと、普段ふわふわしてみんなを甘やかしがちなミナトさんが、あの時ばかりは厳しめにユキ様の本心を問い詰めていったのも、とても良かったですね。青春ですね。熱い。ところでシンくんは人を疑うことをしなさすぎですよね。それこそが彼の魅力だけど。

 ユキ様の「シンのショーが好きだから」っていう言葉に純粋に喜んでる嬉しそうなシンくんの声を聞きながら、深刻な表情するカケルとミナトさん、あの壁を隔てた感情のコントラストもすごく印象的でした。なんというか、キレイだよね。話も映像も。だから好きなんですよねキンプリ。

 お母様のかんざし血塗れのシーンとユキ様が鏡叩き割って拳ケガするシーンの描写、「血のつながり」を印象付けて関連付ける意味で本当に本当に綺麗すぎて溜息出ました。あの秘めた熱さという性質も、確実に血を受け継いでる証拠よ。



タイガきゅんの成長に感動した

 今回、タイガきゅんが衝撃受けてたカヅキ先輩のチャラチャラ感への落差というものがものすごくよくわかった。

 いや、ストリート系とアカデミー系でどれくらい差があるかっていうの、初心者の私にはあんまりよくわかってなかったんですよ。「どっちも人をドキドキワクワクさせるプリズムショーでしょ? ちょっと方向性に違いがあるくらいでしょ?」くらいの認識だったので。

 だからカヅキ先輩に対してタイガきゅんが「チャラチャラしやがって」っていう態度しちゃうの、ただ「ツンデレさんなんだなぁ、そうはいっても憧れなんだよな、かわいいな」くらいの浅い理解だった。

 あの憧れのストリート系カヅキさんの幻想が打ち砕かれる描写、ヒロ様のPRIDEが砕けたときの描写となんか似てなかったですか? なんかどこかのエリートの人これ検証してないかしら。カヅキ先輩はあれなんですか、人の心ブレイカーなんですか。

 そりゃねえ、そうですよね、幼少期に最初に見たプリズムショーが幼少カヅキさんのバーニングでフリーダムなショーで、ストリート系に対して熱く語るカヅキさんを見てそれに魅了されて、それを目指してきたタイガきゅんにとっては、あの「チャラチャラしてる」カヅキ先輩なんて到底受け入れられないだろうなっていうのはものすごくよくわかりました。映像にされると説得力が違いますね。

 でも、あれだけの衝撃を受けてなおカヅキさんに対するあこがれを消せなかったからこそ、彼はエデロの門をくぐったんだなぁ…と、感慨深いものを感じました。

 タイガきゅんパートに関しては、ユキ様みたいな「逃げていたものに向き合って、壁を乗り越える」という“わかりやすい”成長に比べるとちょっとわかりにくいけど、「憧れに近づく」「確かな一歩」としてすごく成長してるよなと思いました。

 カヅキ先輩が「オレがやるよ」って名乗り出たとき「いや、ここはオレが」ってタイガきゅんが進み出たところ。「憧れの人のショーを観れる」ことより「自分の故郷の祭りを自分の力で成功させるぞ」っていう攻めの姿勢を優先したところ。すごい良かったですね。

 自分ももう憧れを追うだけの後輩じゃなくて、ちゃんとみんなを盛り上げられるプリズムスタァなんだっていう自覚が、確信に変わったという意味では、ものすごい成長なんじゃないかなと思いました。地味に難しいじゃないですか、憧れを憧れにしたまま立ち止まった足を一歩前に進めることって。「カヅキさんの切り開いてきた道を歩いているだけ」の自分から、もう一歩踏み出して、自分にしかできないプリズムショーをつくる度胸。

 これがスタァなんだなと思った。

 Shiny Seven Starsでは、こういうスタァを七人分見られるんだなと思うと、次の公開に対する期待も膨らみますね。

 

家族の描写が素晴らしい

 ユキ様パートも素晴らしかったですね。一族の経緯とユキ様に託されたもの。ちゃんとメインキャラだけじゃなくて、そのキャラを育てた環境、家族というものを描いてくれるのがすごくいい。お父様の苦労とか、ユキ様のショーの最後で「お師匠…!」ってなっちゃうところとか、すごくよかった。

 そしてタイガきゅんの家族がめっちゃかわいかったという話をしたい。全体的に可愛い。

 お姉ちゃん明るくてすごくいいですね。ああいうお姉ちゃんの弟はああなりがち。わかる。かわいい。つんつんしてるタイガきゅん可愛い。

 あとタイガきゅんが両膝を親戚の子に占拠されてるとこ尊みMAXでしたありがとう。そういえばあの子達の髪色がさぁ……ちょっとあんわかっぽくなかったです……? 偶然かな?

 お母さんはストリート系黒川冷のファンだったんですね…家族に隠してたの奥ゆかしくてかわいい…。

 それとアルバムの写真に写ってるお父さん、いちいちタイガきゅんよりカチコチに緊張して写ってたのめっちゃ可愛かった…そうか、タイガきゅんのあの感じはお父さんゆずりだったんだな…。

 

カヅキ先輩オタクの叫びみたいなもの

 カヅキ先輩はさぁ…あれがカヅキ先輩だよね…と思いました。

 誰か一人に決めるっていうのはカヅキ先輩一生できなそうだよな…とか思って…。誰でも拒まず受け入れてしまう性格だから、全員に誠実であろうとすると、結局誰のことも一線を越えたところまでは踏み込ませないという選択肢に行き着いてしまう感……。

 あの、あんわかから逃げてる宙ぶらりんなカヅキ先輩こそが彼の最大の魅力じゃないですか? カヅキ先輩が絡むカップリングを妄想するとき必ずそこがネックにならないですか? 誰か一人を特別に扱った途端、彼の通してきた筋というか芯がちょっと歪んでしまって、彼の魅力が半減しちゃったりするんじゃないかなととても心配です。

 恋愛をすっ飛ばした段階なら想像できるんですよね。たとえば、カヅキ先輩の広すぎる心を許容できるくらい懐の深いパートナーを得たカヅキ先輩が、その人と二人して周りにお節介焼いてたらいいなぁとか。おうち開放して近所の子供集めて遊び相手してそうじゃない?とか。だけどどうも、愛情の矢印がどこかに一点集中してるカヅキ先輩が想像できないんですよね。彼カリスマでもあるから、なし崩し的に突破できるタイプでもなさそうじゃないですか。彼の優しさに甘えて一線超えようとしたら「こら、だめだろ」ってちゃんとブロックされそうじゃないですか。その人のためにならない甘えは許さなそうというか。

 …我ながらめんどくさいオタクだな!

 

その他雑感

・ちっちゃいユキ様、ちっちゃいタイガきゅん、素晴らしかったです。かわいいです。

・幼少期のあんわか可愛かったです。わかにゃんは遠くから見てたんだね。

・小学生カヅキ先輩の黒髪、好きです。ショタ!って感じですごくすきです。白くしたのはあれかな、やっぱり黒川さんリスペクトなのかな(そのへん詳しくないので知りたい)かわいいな…

・カヅキ先輩があんわかから逃げるシーン、チェリピキ流れてましたね。すき。

・タイガきゅんがカケルに渡したタクシー代って前作のあれですか? めっちゃ律儀だなこの子!! カケルくんがまいどありーって言ってるとこ見るとお金溜まったら少しずつ返してんのかな…えらいな…



 というわけで、めちゃくちゃ面白かったです。KING OF PRISM-Shiny Seven Stars-をこれからも応援しています。今日は静かに映画を噛みしめられたので、次はみんなと盛り上がりに応援上映も行こうかな。